ピンチをチャンスに!…シカ第3弾 協定
2月7日(水)、美郷町役場において、邑智郡森林組合(植田 淳・代表理事組合長)とタイガー株式会社(尾田 英登・代表取締役社長)、美郷町(嘉戸 隆・町長)の3者でシカ対策などをはじめとする林業振興を通じた地域振興の包括的連携に関する『美郷バレー協定』の締結式が行われました。
この協定は、広島県からシカの生息域拡大によって、シカの被害が想定されることから、シカ対策の体制構築に向けた機能の強化を図り、対策にとどまるだけでなく、林業の担い手不足に対する労働力環境の省力化・改善などの林業振興をはじめ、未利用資源(シカ)の利活用による新たなローカルビジネスにチャレンジしていこうというものです。
すでに、協定に先駆けて、美郷町とタイガー株式会社で、長年培ってきた山くじら地域ブランド創出のノウハウと新たな視点で美郷バレーの次の一手に取り組んでいます。
第1弾がシカ対策の出口戦略として昨年10月の広島市安佐動物公園におけるライオンへの駆除シカの屠体給餌。
第2弾として今年1月25日、町内飲食店においてシカ肉を使った「みさと猪鹿鳥定食」を発表し、2月1日から飲食店の定番メニューとして提供され、大変話題になりました。
協定締結式では、3者の代表、嘉戸町長、植田組合長、尾田社長が協定書に署名したのち、会場の協定関係者に向けて挨拶を述べられました。
美郷町 嘉戸町長
「地域社会の問題に対して新たな視点から課題解決にチャレンジし、ピンチをチャンスに変える美郷バレーの真骨頂を発揮していく大きな第一歩になった」
また、1市3町の森林経営の核となっている邑智郡森林組合の美郷バレー参画への歓迎を述べられました。
邑智郡森林組合 植田組合長
「シカ対策は1市3町の広域化が重要とこれまで訴えてきた。先進的な取り組みをしてきた美郷町との本協定締結はその思いを現実的なものに変えていくもので光栄に思う。さらなる連携強化をはかっていきたい」
「林業省力化として高性能林業機械が普及しているが、本当は山に入って木を伐り、植える地味な仕事。高性能林業機械では不可能。協定をもとに3者連携してドローンでの苗木運搬などの重労働の省力化を推し進めていく」
すでに、ドローンを使った苗木運搬の実証試験を邑智郡森林組合とタイガー株式会社、美郷町、さらに古河電気工業株式会社と、美郷バレーの協定企業団体等が有機的に連携して取り組んでおり、実用化に向けて進めています。
タイガー株式会社 尾田社長
「戦後、昭和26年(1951)創業当時から“豊かな収穫を支援する”というスローガンは今も変わらない」
「美郷町に来るといろいろなことにチャレンジできる。ここ(美郷町)で起こっている獣害問題はじめ地域社会の問題は全国でも起こっており、美郷バレーで共創した実績を広く全国に波及できる」
「令和元年(2019)の協定から今年でまる5年になるが、この間、美郷町とやってきたこと、さらに営業所を開設したことが間違いでなかった。これからも微力ながら地域振興に寄与していきたい」
協定による新たな連携関係の構築が、5年、10年先のローカルビジネスと持続可能な地域振興につながっていくことを確認して60分間の協定締結式は終わりました。