有機野菜を死守せよ!師走編
ここは山を切り開いて広大な農地に造成した国営開発農地。ここはその一つ、寺谷団地。一面に広がる枯れた枝葉の地中に眠っているキクイモ。その先に大山隠岐国立公園・三瓶山(さんべさん)を望むことができる風光明媚な畑。
この日、陽がかげり、気温がグーンと下がった12月12日(木)の午後、キクイモ収穫とあわせてビーツの栽培を所有している「有機の美郷」の社員の姿も見られます。一見、赤カブかな?と見間違えるほどよく似ていますが実はホウレンソウの仲間。カリウムや鉄など栄養価の高い西洋野菜として注目されています。キクイモやビーツは全て有機栽培。
その野菜をねらってイノシシが柵の下を潜って侵入、キクイモやビーツの畑近くひどく掘り起こした跡があります。
そこで有機の美郷から美郷バレー・きゃらバンへ要請。役場、地域おこし協力隊2名、美郷バレー協定企業・タイガー(株)出動。現場に到着するとビーツ畑や防護柵のメンテナンスや柵と山際の緩衝帯づくりのために木を伐る作業に精を出している社員の姿が。柵の隙間や掘り起こしで侵入を試みるイノシシとそれを阻止しようと鉄杭で修繕する人間の野生動物との攻防の跡も見受けられます。
「自分事」として対応されている有機の美郷の社員の皆さんの姿にきゃらバンのメンバーも「有機野菜を死守せよ!」の気持ちの高ぶりも最高潮!寒さもなんのその。
まずは、軽トラで持ち運びが簡単な箱ワナを設置。仕上げに箱ワナにイノシシを誘うようにぬかを巻き作業。明後日(12月14日)から冬型の気候が強まるため、雨や雪で餌がかくれたり、濡れてしまうのが少々心配でしたが、手際よく設置完了。あとは悪さ(=人間にとって、=イノシシにとっては生きるために餌を探し食べる)をするイノシシが捕まるのをまつのみ。
次に畑に入ってくる山際の獣道にくくり罠を設置する作業に。くくり罠は島根県がツキノワグマの錯誤捕獲を避けるためにくくりの輪の直径12㎝を試験的に使用(まだ、県内では余り捕獲実績がない)。
地域おこし協力隊が研修も兼ねて設置。「これは山際の斜面を登っている足跡だから、必ずここを踏んでかけあがるはず・・・」ブツブツ独り言をいいながらも集中して設置。設置完了後はGPSで設置位置を登録。最後に誰がしかけたのか標示板を木に括り付けて任務完了。
有機の美郷の社員の皆さんとも上手く連携できた美郷バレーきゃらバンの今回の任務。
時間は午後4時。あたりは冬時間とあって薄暗くなっていました。雨も降る中で帰りの車内で暖をとる体のぬくもり上に社員の皆さんの姿勢に心も温まりました。
イノシシやシカが捕獲出来たら、「おおち山くじら」「美郷もみじ」にしてビーツと一緒にボルシチ料理で暖まりたいものです。