美郷バレー・きゃらバンin比之宮地域
7月25日(木) 10時00分、比之宮公民館(美郷町宮内)で美郷バレー・きゃらバン(次の物語の主人公はあなた、あなたの番です)の一環で美郷町主催、比之宮公民館共催で「獣害対策研修会」を開催しました。
事前の開催告知では「転ばぬ先の杖・・・クマ対策」と美郷町と美郷バレー協定企業で開発した“楽ちん”省力化に主眼を置いた電気柵接続支持具の紹介の2本柱の研修予定でしたが、先週からこれまで出没したことのないサルによる農作物の被害があったため、当日の研修会では急遽サル対策もお話することに・・・。
これまで全く地域にあらわれなかったサルの群れ。対策の免疫力もない比之宮地域の皆さんにとっては関心の高い研修会になりました。会場には何人もの女性も参加・・・。雅ねぇ(=獣害研究家 井上雅央先生)の著書『決定版!獣害対策:女性がやればずんずん進む』(農文教)の獣害対策のバイブルからも、この地域でサル対策がずんずん進むことを予感させてくれます。
研修会では、役場美郷バレー課から比之宮地域がサルにとって安心して餌が食べられる餌場になっていることを説明(=雅ねぇが口を酸っぱくして話す「集落が餌付けに成功」)、サル対策もクマ対策も集落へ誘引しない環境対策が農作物被害やクマの遭遇リスクを軽減につながることを力説。そのための一番のポイントは日ごろから集落内、隣近所のコミュニティー“人と人のつながり”。サル対策は個人の対策は限定的で、隣近所の情報共有や共助でワンチームの地域対策がサル対策、裏を返せば地域づくりの上手くいっているところはサル対策も上手くいくという話に会場の参加者の皆さんも納得の様子でした。比之宮地域は集落営農や学生の受入、ポポジェラートの開発生産など住民活動がさかんな地域。会場の席の前後から「柵をして追い払いを・・・」と前向き話が聞かれました。
会場からは「なぜ、今まで出没しなかった地域に突然サルの群れが?」の疑問に美郷バレー課では比之宮地域の1週間くらい前からのサルの動きを地図で示し、都賀行公民館で雅ねぇや麻布大学江口祐輔先生を呼んで獣害対策研修会の様子を写真で紹介、都賀行公民館周辺の畑などを電柵設置して管理していることや日平集落、高山集落のサル対策によってサルの餌場としての認識が低下、サルに対する知識や対策がこれまでなく、無防備な餌場として安心して食べられる比之宮地域へとサルの遊動域(サルの行動範囲)が変化した理由を説明。
さらに平成27年11月~平成28年1月、2月に地域内の村之郷や宮内で獣害対策研修をした当時の懐かしい写真を紹介。講師は獣害研究家“雅ねぇ”(井上雅央先生)。当時の黒板に、①みんなで勉強 ②守れる田畑、集落 ③囲いや追い払い ④個人でムリしない のサル対策の極意が・・・。
当時、サルの出没しない比之宮地域にとってサル被害は全く無縁のもの。きっと当時研修会参加者のみなさんはピンとこない方もいたのでは?転ばぬ先の杖・・・会場の参加者には当時参加されており、当時の研修を思い返されたに違いありません。
美郷バレー課のサルの環境対策を説明の後は美郷バレー協定企業のタイガー(株)川島さんがサル対策における電気柵や柵の設置、今年5月に美郷町と同じく協定企業の(株)テザックさんと共同開発した電柵支持具2種類を紹介し、実際にワイヤーメッシュに取り付ける体験を参加者の皆さんにしていただきました。高齢者や女性目線で省力化“楽ちん”を主眼においた電柵支持具(ポールやガイシ)の設置のしやすさや軽いことの売りは参加者の関心をひきつけました。時間は予定時間をオーバーし、終始建設的な意見で研修会座学は終了。
それから比之宮公民館近くの田んぼに所有者の案内で移動。ワイヤーメッシュに美郷町・(株)テザック共同開発製品の赤井ガイシを取り付けた電柵との複合柵の現場の見学をしました。田んぼの所有者の方は1人で設置され、のちにタイガー(株)や美郷町が確認。上手に設置され、野生動物の被害もないと満足にされていました。これからサルやシカ、イノシシ、小動物の侵入にも期待できると見学した人たちの反応も上々。
嬉しいことには研修会終了後、美郷バレー課には研修会の参加者から、「サル対策隣近所チームになってやるよ」という嬉しいお電話をいただきました。
真夏の中の美郷バレー・きゃらバンのサル対策の研修、次の物語の主人公の番は比之宮地域に間違いなし!
を感じた研修会でした。