祝!青空サロン収穫祭20周年記念開催
「万歳!万歳!万歳!」吾郷地域連合自治会 木村稔会長の万歳三唱で元気よく体育館に響き渡る声。
美郷バレー・山くじらフォーラム3日間の余韻冷めやらぬ翌日の10月5日(土)、美郷町簗瀬(やなぜ)の吾郷公民館体育館(旧吾郷小学校体育館)を会場に吾郷地域なでしこ会(旧吾郷地域婦人会)主催の青空サロン収穫祭が開催。毎年10月初めに開催する収穫祭が今年で20回目、記念の収穫祭となりました。
開催にあたって主催者のなでしこ会・門田厚子会長から収穫祭20周年を迎えた地域・関係者への感謝とお礼の挨拶で開幕。
会場はなでしこ会員だけでなく共に歩み、これまでお母ちゃんを支えてきたお父ちゃんを招待して地域みんなで20周年を迎えた収穫祭を祝いました。
20周年記念を祝って20年間の成り立ちやその間の歩みに関わりを持たれた人、お亡くなりになられた人を忍び感謝と新たに仲間に加わった人など沢山の“つながり”を20年で築き上げたお金やモノでは手に入れることのできない地域の見えないかけがえのない財産をスライド写真で当時を語ってみました。
当時の吾郷地域婦人会が青空サロンへの取り組みをはじめたきっかけは平成18年(2006)3月、奈良県や香川県からの獣害視察で来町された人と役場職員のやり取りを端で聞いてもらうことからはじまりました。
写真は東かがわ市の視察のやり取りを後ろで聞いているお母ちゃんたち。意図はツーリズム同様、婦人会のお母ちゃんたちが将来、視察で案内してもらうためでした。
視察見学から3ケ月後の平成18年6月、美郷町奥山にあるお寺の境内をお借りして、視察者20名近くを婦人会のお母さんがおもてなし。最後はおもてなしにとどまらず、黒いごみ袋をまとってカラスの真似やサルとの日々の闘いを一人で演じるお母ちゃんの写真と話に会場は笑いの渦に・・・。一方、「あ~懐かしい」「ここどこ?」「若いなー」「(お母さんたちに向けて)いや、●●ちゃんちっともかわっとらんで」など話の最中にもテーブル席から聞こえてきました。
次に初めて婦人会が主催した獣害対策研修会の写真を披露、説明しました。時は同じく平成18年6月。会場は吾郷集会所(美郷町吾郷)。はじめて婦人会のお母ちゃんと雅ねぇ、いえ失礼しました・・・当時は井上雅央(いのうえ まさてる)先生(=独立行政法人 近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チーム長 ※雅ねぇとは誰も知らない)と初対面。会場はお父ちゃんも参加。井上先生の演題は『100歳超えても楽しめる畑~頭さえ柔らかかったらねんれいなか関係あらへん~』と題した話にみんなすぐに引き込まれ、ここから青空サロンが誕生していったのです。
「こんなことからはじまったん」「ようわかったよかった」「懐かしかった」とこれまでに沢山の人で築いてきた歴史に涙ぐむ人も会場で見受けられました(笑いと涙の渦に)。会場の参加者の思いが一つになった雰囲気でした。
当時の井上先生を写真で見た後、次に現実の獣害研究家“雅ねぇ”が講演。
雅ねぇは青空サロンのお母ちゃんたちをいつも陰で支え、雅ねぇが美郷町で研究するときにいつも地元と調整して研究を実現に導いてくれた雅ねぇにとって唯一無二の男性、その名は「かつじぃ」(故・安田勝司さん)。なでしこ会20周年記念への祝辞とともに、かつじぃへの感謝をしんみりと話されました。20周年に至る青空サロンのドラマは人情味たっぷりのとても素敵なノンフィクションです!
2人の講演のあと、収穫祭に駆けつけてくれた2人の青年が紹介されました。
1人は神奈川県小田原市在住の弘重 穣さん。
弘重さんは大学研究員の約15年前から農村計画・地域づくりをテーマに吾郷地域に調査研究され、なんと大学教員の道でなく、実践する町役場職員に奉職。毎年、欠かさず収穫祭に神奈川県から駆けつけてくれます。もう吾郷地域の住民といっても過言ではないほど誰もに親しまれている人物です。奉職先は美郷町と美郷バレー協定を締結している大磯町。協定締結に尽力していただきました。今でも美郷と大磯の架け橋として活躍されています。
もう1人は宮崎県の二上拓真さん。弘重さんの大学の後輩になります。
ちょうど10年前に、二上さんは平成26年(2014)7月末に大学の先生と青空サロンの取り組みを視察、目の当たりにして大学の卒業論文のテーマに青空サロン市場や婦人会のおかあちゃんたちのコミュニティーを大学の卒業論文テーマに・・・ところが腰を据えて調査研究しないと作成できない(人や活動が有機的に絡み合っている上、簡単に数値数量化できない、一筋縄ではいかない取組み)とこの年10月の1ケ月間、町内簗瀬の空き家で一人暮らしをして婦人会や地域を調査のため自転車で走り回った青年です。その間、地域の人から孫のように可愛がられ、今でも婦人会のおかあちゃんや地域と交流を深めている青年です。
収穫祭ではグランドピアノの伴奏で地域おこし協力隊3名や美郷協定企業(美郷町在住)中心にみんなで「ふるさと」を歌ったのち、「青空サロンの歌」を大合唱。
移住定住、活動人口・滞在人口・・・外部の人をひきつけるのは地元の人のつながりと魅力、さらにその人たちが醸し出す地域の魅力に勝るものはないと感じた心温まる秋の青空サロン日和の一日になりました。