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雅ねぇとクマ

10月30日(月)、都賀行公民館の研修で「カキを放置しておくとクマ(ツキノワグマ)を集落に誘引します!人身事故につながるのでカキを収穫するか、カキの木を伐って低床栽培してください!教えますので」と“雅ねぇ”こと獣害研究家の井上雅央先生の声。いつもの研修より厳しい声の口調。
何よりも自分の家のカキを収穫しないと集落内でクマによる人身事故につながることを念頭にあるからです。
1本でもカキの収穫や低床栽培のために伐採すると確実に集落内でのクマの人身事故のリスクを低減することにつながります。
雅ねぇは、全国有数のカキの産地、奈良県の果樹振興センターに奈良県職員として在職経験があり、獣害対策とあわせて誰よりも詳しい方です。美郷町内の昭和50年代後半から60年前半にかけて西条柿の植栽が盛んだった頃の放任されたカキの木や、クマを誘引することに対しての持ち主の他人事の言動がこの季節、大変気になっています。
都賀行公民館では周辺住民にカキの収穫や伐採を呼びかけてそれに呼応した集落の人たちが一斉にカキを収穫したり、不要なカキの木は伐採する等、これまでの獣害対策研修の成果があらわれています。何よりも人に迷惑をかける、危害を及ぼすという思いやりの気持ちが行動に動かしています。また、収穫していないカキの木の持ち主に公民館職員が直接行ってお願いもしています。美郷町のクマ対策の一番の取り組みが都賀行集落にあります。
地域のコミュニケーションが上手く醸成されている集落や地域がクマに限らず、獣害対策、引いては魅力ある地域になっていくのだと都賀行集落の動きから伝わってきます。
美郷バレー協定先の三重県津市の美里町の地域活動女性グループはカキ羊羹を作られています。もう一つの協定先、丹波篠山市では高校生とNPOさともんでカキのもぎ取りイベントの後、カキジャムづくりをするなど収穫して余ったカキの活用のアイデアをだされています。
さて、表紙の写真の雅ねぇの後ろは昭和50年代後半に植えられた150本の西城柿。全て雅ねぇがクマや他の野生動物の餌付けになるからと伐採したものです。
10月30日の夕方、雅ねぇが西城柿の畑でノコギリを使ってカキの木の伐採を実演しました。コスチュームはあと1ケ月過ぎでクリスマスシーズンのため、ツリーに飾られている小人ファッションです。
採実演、ご覧ください。