シカなめし革お披露目
6月12日(水)、美郷町乙原の乙原集会所で、町内で捕獲されたニホンジカのなめし革のお披露目がありました。
提供者は美郷バレー協定企業・タイガー(株)美郷バレー中国営業所。
提供先は地元皮革グループ「青空クラフト」。
関係者には初めてのシカのなめし革の披露になります。また、美郷バレーでシカをテーマに取り組む美郷町にとってもシカシリーズ第6弾になります。
毎週水曜日、同集会所を拠点にメンバー10名程度でイノシシの皮革製品づくりにワイワイガヤガヤ世間話をしながら楽しく、生きがいとして活動されていますが、この日はイノシシのなめし革でなく、昨年10月のライオンの餌としてシカ肉等の提供や今年2月の町内飲食店の猪鹿鳥定食、4月の小中学校猪鹿蝶給食などの取り組み一連の流れの一つになります。
タイガー(株)川島さんと地域おこし協力隊 岡本さんが長机にシカなめし革をゆっくりと出し惜しみしながら広げると青空クラフトのメンバーから一斉に「わーっ」という歓声に近い声が。
続いて「イノシシの皮革と比べて繊細でなめらか」、「イノシシよりシカの皮革が好き!」「財布がいいのでは」「緑色も素敵」など、早くもシカなめし革への愛着と創作意欲を掻き立てられる言葉が聞こえてきました。捕獲からシカのなめし革まで工程に携わるタイガー(株)関係者の提供者としての安どの表情も伝わってきました。
シカなめし革のお披露目の前には、同集会所でJAひろしま女性部三次地区本部川立支部関係者20人と美郷町の隣町にある島根県中山間地域研究センター職員2名が“雅ねぇ”こと獣害研究家の井上雅央先生の「女性だからできる鳥獣対策」というテーマで講演。今回のシカなめし革の取り組みも同様に年齢関係なく女性が前向きに生き生きと活動しているところは魅力があること、そこに人が集まることを雅ねぇの講演とシカなめし革のお披露目から伝わってきました。
シカ問題をシカ対策で片付けるのではなく、その背景にある人間社会のあり方を問い続けていくメッセージの一つとしてもシカなめし革のお披露目は意義がある時間でした。こうした同じ思いの人からの声をお待ちしています。