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旧三江線廃線(2018年3月末)から6年7ケ月…

表紙の写真は2018年(平成30)3月末にJR三江線が廃線になる1年前、2017年の石見簗瀬駅を発車した車両(キハ120形)。廃線が決まり、それまで1両運行だった車両が別れを惜しむ乗り鉄、撮り鉄、観光客の増加に伴い2車両に。ラストラン数ケ月は木次線や芸備線の車両も加えてさらに3両編成に。石見簗瀬駅の下り線、隣駅・乙原駅の駅舎。廃線翌日の駅舎。

廃線から6年7ケ月。既に乙原駅舎がとかれた跡地から線路敷・約300m先にJR西日本所有の森林、通称「鉄道林」の「森林再生実証実験」の木材搬出場所が位置しています。伐採・運搬現場の線路敷を歩きながら鉄道林の続編としてご紹介します。

線路敷は6年以上の年月で桐の木やアカメガシワなど雑木が線路上から大きく成長。下刈り、除伐後は150m先まで見渡せます。

伐採現場の急峻な山の斜面を少し登った地点から線路敷を見渡した景色はこのとおり。立冬を過ぎて山陰特有の灰色の空に少し青空がのぞく冬空の下、乙原集落が見渡せます。

鉄道林の山肌は巨岩や石、さらに当時、車両に運行の安全・保線のために落石防止のための金網やコンクリート壁が見られます。上手く木材が搬出できたと感心するほど現場です。

そういえば、鉄道林の斜面に退治するのは「円山」。「円山のサル退治」で円山から追い払うと一斉に群れがここ鉄道林に逃げ込む場所でもあります。サルは鉄道林の山の斜面からの私たちの動きや餌となる田畑の産物を常に伺っていたに違いないと「ふっ」とサルの気持ちに・・・。

この実証実験は林業振興という分野だけでなく、他の分野ともつながっていく予感をさせてくれた瞬間でした。