青空サロン収穫祭2023
10月8日 美郷町乙原 乙原集会所で青空サロン収穫祭が開催されました。
主催は、吾郷(あごう)なでしこ会(旧吾郷地域婦人会)。
会長の門田厚子さんの挨拶で幕をあけました。
この青空サロン収穫祭は平成21年(2009)から続く、住民の手弁当の地域イベントです。会場には吾郷地域5集落はじめ、町内や町外、県外から約50数名の参加者がありました。
収穫祭のプログラムでは、麻布大学教授・フィールドワークセンター長の江口先生が、麻布大学と美郷町の協定に至るまでの交流のはじまり(平成11年・1999年~)を写真や当時のテレビ番組を紹介してはなされました。また、現在、町内に卒業論文作成のため滞在している学生の研究調査を紹介されました。
麻布大学からヒツジを連れてきて耕作放棄地に放牧。ヒツジの飼育を多くの学生が世話をするなど。
その先輩の研究のヒツジ飼育で大学3年生のとき、美郷町に来て現在、母校麻布大学の教員をされている加瀬先生が当時の話をされました。次に、学生時代、簗瀬集落の空き家に住み込んで竹林内を生息域にしている野生動物の研究をした現在、島根県職員の坂倉さん(埼玉県出身)が話されました。当時、集落の人から野菜など沢山いただいて、優しくしていただいたことを話されました。
麻布大学との交流の話に次いで、神奈川県大磯町役場に勤めている弘重さんが、大学の研究員(ポスドク)時代から大磯町と美郷町が令和3年(2021)11月、獣害対策だけでなく地域振興を目的としたビーチ&バレー協定を締結し、特産品の販売や獣害対策のノウハウの提供など現在、行っていることを紹介しました。
弘重さんは、この収穫祭に平成21年からプライベートで参加されています。今回の収穫祭も開催日の1週間前に聞いて駆けつけてくださいました。弘重さんは仕事のかたわら、地域づくりなど農村計画学を今でも探求されており、フィールドワークを大切にされています。なでしこ会の中にも、弘重ファンは沢山います。
美郷町と大磯町の交流のきっかけをつくった二人・・・“雅ねぇ”こと、井上雅央先生と大磯町 弘重さん。
弘重さんは「住民の方に来るなといわれると収穫祭、参加しませんが、何もいわれなければ、勝手ながら毎年参加させていただきます」と会場の笑いを誘っていました。
次に、雅ぇが登場。
お話は「獣害は野生動物が安心して暮らせて、おいしいものが食べられる集落で起こる、このことを餌付けといいます。私はここ(吾郷地域)で野生動物と同じように長年、餌付けされています。みなさん、駆除しないでね」と会場に笑い声がどっと沸き起こりました。
最後に、なでしこ会の会員の持ち寄った景品付きビンゴゲームのあと、なでしこ会の皆さんが収穫祭の前日、当日早朝から用意した手作り弁当を堪能しました。弁当の中には弘重さんがもってこられたカキもそえられていました。
平成21年から続く青空サロン収穫祭には、交流の原点がありました。
お互いに期待するものではなく、お互いの良さを認め合う・尊重すること。
行政主導でなく、住民の主体性が一番に問われていること。
手弁当で楽しく、無理をしない身の丈のお付き合いをしていくこと。
こうしたことが、いろいろな地域づくりの可能性に広がること、地域や町の魅力に成長していくのだと感じる、実り多い収穫祭になりました。