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美郷バレー・山くじらフォーラム5(3日目)

10月4日(金)、美郷バレー・山くじらフォーラム3日目、最終日。この日は美郷バレーに関する町内見学。朝9時00分、集合場所の美郷町役場庁舎横の2日間フォーラム主会場みさと館前で何やら弾む会話が・・・。
熊本県職員や天草市職員と島根県農業大学校学生が親しく会話しているではありませんか(表紙写真)。話を伺うと農大生は熊本県から島根県に移住され就農させたとのこと。全国屈指の農業県・熊本県から島根県に移住され、フォーラムで偶然にも熊本県の人たちと出会うとは、フォーラムならではのご縁から最終日はスタートしました。
最初の見学先は役場近くの麻布大学フィールドワークセンター。出迎えたのはフォーラム初日に講演された麻布大学教授・同センター長の江口先生。センター内のホールで同大学の教育研究拠点としての役割など説明。イノシシにまつわる世界のコレクションの展示の説明や現在研究しているアナグマについても説明されました。

フィールドワークセンターから車で15分、距離にして8㎞弱のところにある美郷町乙原(おんばら)青空サロン畑に移動。出迎えたのは、江口先生と同じく、講演・発表された“雅ねぇ”こと獣害研究家・井上先生と美郷バレー協定企業の(株)テザック(本社・大阪市)取締役の山下さん。
最初に(株)テザック 山下さんがフォーラム初日に発表した美郷町と共同開発した獣害対策の電柵支持具を圃場で説明。圃場の中はサルの大好きなサツマイモが植えてあります。サルの群れは毎週のように圃場周辺を往来していますが被害はゼロ。きちんと設置し維持管理すれば確実に収穫できることを開発製品とあわせて紹介されました。昨年3月から4月にかけての準備(当時の実証圃場設置の写真)し、フォーラム最終日に2年間の取り組みを説明されたことは説得力がありました。

次に雅ねぇ、登場。青空サロン畑の横の道路高架下でフォーラム初日の講演に引き続いてお話。話すアイテムは、錆びついた黒板。

この黒板、旧吾郷小学校にあったもので、青空サロン畑に平成19年(2007)にこの場所に持ってこられた年代物。雅ねぇの長年の相棒。雅ねぇの獣害対策の極意の書かれた黒板を記念撮影する参加者がこの日も続出。ちょっとした観光スポット。このあと、サロン畑に入って吾郷地域なでしこ会(旧・吾郷地域婦人会)の活動などを交えて予定時間をオーバーするほど熱の入った講義でサロン畑の見学は終了。

この後、参加者は獣害対策通りを300m、車や歩いて移動。タイガー(株)獣害対策の展示圃場に到着。前回2年前の第3回フォーラムにはなかった新たなエリア。出迎えたのはタイガー(株)美郷バレー中国営業所 川島さん。川島さんはフォーラム初日と2日目は展示コーナーで説明やフォーラムの設営などに奔走していました。

川島さんが鳥獣害製造機器メーカー社員とあって電柵の正しい設置など専門的見地から展示圃場を使って説明。この2年間、沢山の視察をこの展示圃場に受け入れてきたこともあって説明も軽妙。

参加者一行はタイガー展示圃場を後に、獣害対策通りをさらに300m移動。乙原集会所に到着。フォーラム最後のプログラム。参加者が車座になって、青空クラフト代表 安田さん(旧吾郷地域婦人会長)から女性による獣害対策の活動や青空サロンの今年で20年目を迎えた取り組みを聞きました。

車座には美郷バレー協定自治体の丹波篠山市職員をはじめ、愛知県のジビエ企業や新規就農者、高校生も参加して前日までのフォーラムで聞くことのできなかったことやフォーラムの貴重な感想、意見交換が活発に交わされました。

時間が正午をまわり、3日間のフォーラムも終わりに近づきました。全員が椅子から立って、長崎県から今回も参加いただいた坂口さんに一本締めのトリを主催者からお願いしました。

坂口さんは平成23年10月の第1回フォーラム、令和元年度の第2回フォーラム、そして2年前の第3回フォーラム、全てのフォーラムに参加いただいている強者です。同集会所に掲げてある第1回のフォーラムの写真に坂口さんがしっかり写っています。
さらに遡ると坂口さんは合併後、美郷町が誕生した平成17年度直後に長崎県と美郷町は獣害対策で親交が続く中で、その当時を知る長崎県職員でもあります。美郷町のこれまでの歩みを県外から見てきた数少ない生き字引のような存在です。今回、バレー課から美郷バレー課準会員と呼ばれるようになりました。

2年前と同じように坂口さんの一本締め「よう~を」パン!
主催者としてフォーラムに参加して島根県内外から美郷町へ足を運んだ甲斐があったと少しでも思っていただけたら嬉しい限りです。
第4回美郷バレー・山くじらフォーラム、おおち山くじら物語はこれにて終劇。