獣害対策のカギは女性
8月23日(金)、広島県三次市上川立の芸備線「上川立駅」と一体となった集会所。
主催は三次市。共催で広島県北部農林水産事務所・北部農業技術指導所。共催の広島県北部農林水産事務所と美郷町とは獣害対策を通じてのずっと前からの交流させていただいている旧知の仲。この日は所長や次長も参加。
会場は手作り感満載。味のある会場で始まる前から終始和やかな雰囲気でした。
でも、熱気はムンムン。驚いたことに会場を見渡すと何と女性の方ばかり。
この日の獣害研修会の副題は「女性がやればずんずん進む」です。どこかで聞いた、読んだことのあるフレーズ。
この日の講師は獣害対策研究家の雅ねぇ(井上雅央 先生)。三次市や庄原市の広島県北部一帯のエリアは北部農林水産事務所の農業普及員の皆さんと雅ねぇの二人三脚で獣害対策を長きにわたり指導・対応してきたところです。美郷町と同じでしっかりとその理念や考えが浸透している地域といっても過言ではありません。参加者は特に今回の上川立中町周辺のJAひろしま三次支部女性部の方をはじめ、多くの女性の方が参加されました。
女性の中には男性も・・・。
『女性がやればずんずん進む獣害対策』と題した雅ねぇの講演は獣害対策に限らず、今の社会は女性の存在が魅力ある地域をつくり、輝かせるのだと笑いを交えながら60分間講演されました。
講演途中に2時間に1度の芸備線の車両が駅に停車。2018(平成30年)4月1日に廃線となった三江線沿いの暮らしになれた中で、雅ねぇも当時走っていた三江線を思い出したそうです。
その後、美郷バレー協定企業の(株)テザック開発推進室長 山下さん(本社・大阪市)が美郷町と一緒に今年5月に開発した獣害対策の電気柵支持具を説明。“楽ちん”をテーマに女性や高齢者が簡単にワイヤーメッシュに接続できる電柵部材を実演交えて紹介されました。
夕方4時になって会場近くのモデル圃場に移動。ここは3年前にイノシシやシカ対策でワイヤーメッシュと電柵を組み合わせた防護柵のモデル圃場。水田で北部農林事務所と(株)テザックさんが設置した地元の女性の方が所有している水田です。 美郷町で誕生した電柵製品がお隣広島県でも広がりを見せていました。
女性がやればずんずん進む獣害対策を通じて地域が一体となって取り組むきっかけになってほしいとの主催者の願いによる今回の研修会。研修時間を追うごとに女子パワーを感じる空気に願いが叶うと確信した研修会でした。